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基本的にはデジタル・フォレンジックの技術について取り扱っていますが、記載内容には高確率で誤りが含まれる可能性があります。

Android のマルチユーザと adb backup (2)

Android のマルチユーザー機能に関連して「制限付きプロフィール」というユーザーを作成する事ができます。このユーザーは、Owner と同じ Google アカウントなどを使用しつつ使えるアプリケーションを制限したりする事ができます。ぺレンタルコントロールなどで使うケースを想定している機能のようですね。

制限付きプロフィール
https://support.google.com/nexus/answer/3175031?hl=ja

何が制限されて、何が許可されるのか?
Android 4.3の制限付きプロフィールを試す
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/shimizu/20130903_613668.html

制限付きプロフィールのユーザーを追加すると、まず(Ownerアカウントについて)画面ロックを有効にするように求められます。 制限付きプロフィールのユーザーがOwner側のユーザーにアクセスできない様にする為だと推測していますが、単純にユーザーを追加した場合には求められないんですよね>画面ロックの有効化

制限付きプロフィールでは、許可したアプリケーションが利用可能になる仕組みになっているので、ここでは例えば LINE を Owner 側の設定から許可して、制限付きプロフィールで使った場合に、どこにデータが置かれるかを確認してみます。

root@generic_x86:/data/user/11/jp.naver.line.android/databases # ls -l
ls -l
-rw-rw---- u11_a52 u11_a52 16384 2014-07-20 19:18 NewBadge.db
-rw------- u11_a52 u11_a52 8720 2014-07-20 19:18 NewBadge.db-journal
-rw-rw---- u11_a52 u11_a52 16384 2014-07-20 19:18 cafecache.db
-rw------- u11_a52 u11_a52 8720 2014-07-20 19:18 cafecache.db-journal
-rw-rw---- u11_a52 u11_a52 311296 2014-07-20 19:18 naver_line
-rw------- u11_a52 u11_a52 12824 2014-07-20 19:18 naver_line-journal

データとしては/data/user 配下に 11 という番号で新規のフォルダが作成され、その配下にデータベースファイルが配置されている状況です。

この時点では、まだ LINE を制限付きプロファイルでは実行していませんので、Owner アカウント側ので DB がコピーされている状況に見えます。

※LINE 自体が制限付きプロフィールの環境化で使えるのか未確認です、検索してみると制限付きプロフィールではうまく動作しないアプリケーションもあるようですね。

 

制限付きプロフィールについても、データの保管場所はユーザ用のフォルダが /data/user 配下に作成され、そこに置かれています。

このパスにあるデータは、adb backup の対象範囲外になりますので、制限付きプロフィールを使っている場合にも、追加したユーザと同じくバックアップはかなり難しい状況になるという事ですね。

 

 なお、マルチユーザー環境におけるAndroid のバックアップ設定については、現状では Owner アカウントしか設定できない仕様のようです。追加したユーザーでは「バックアップとリセット」も使えないと。

データをバックアップ、消去する
https://support.google.com/nexus/answer/2819582?hl=ja
複数のユーザーで 1 台のタブレットを使用している場合、[バックアップとリセット] オプションが表示されるのは、タブレットの所有者のみです。