Officeファイルのマージ
ということで、どうも“hybrid MS Office files”というのは、Merge Streams ツールを使って作成したファイルのことを示していることが判明。
Merge Streams 1.0
http://www.ntkernel.com/w&p.php?id=23
このツールを使うと、たとえば WORD 2003 のファイルと Excel 2003 のファイルをマージすることができ、拡張子によってファイル内容の表示を変化させることができるというものです。
例えば、秘密情報を含む XLS ファイルを何でもない文章の DOC ファイルとマージし、拡張子を DOC としておくと、WORD で開いた場合には、何でもない文章が表示されます。しかし、拡張子を DOC から XLS に変更して同じファイルを開くと、秘密情報を含む XLS ファイルのデータが表示されるということになります。
①WORDのファイルとExcelのファイルをマージする(WORDにExlcelのデータがマージされる)
②拡張子 DOC のまま、WORD で開くと Word 文書のデータが表示される
③拡張子を Xls に変更する
④Excel で開くとマージされた Excel のデータが表示される
ただし、データ内容は平文でそのまま結合されているだけですので、ちょっとしたトリックというか拡張子だけで判断するとひっかかる場合があるというところでしょうか。バイナリレベルの検索であればデータ内容はそのままですので、ヒットすることになります。
OLEのデータ構造なので、EnCase で View File Structure を使えばマウントしてデータ構造を確認することもできますが、オブジェクトを追加した場合と違って、目視で識別しやすいデータがあまりないようです。
このネタはWindows Forensic Analysis DVD Toolkit (Learning Made Simple) のコラムにも記載されているのですが、hybrid MS Office file という単語は出てこないので、はたして Hybrid で通じるのか謎だったりはします・・・